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「龍建設とともに。」というテーマで、当社社員をはじめ、当社に関わりの深い方々にお話をお聞きします。
第三回目は、高麗橋工事事務所所長 工事部部長である 柏原 隆氏よりコメントをいただきました。 |
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「建築の技術屋としての矜持(きょうじ)」 |
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一番印象に残っていること、
仕事は何ですか? |
オフィスビルの新築工事。
鉄骨2階建ての簡易な建物で、今は既に取り壊されてありませんが、私が初めて建築屋としての手応えをつかめた仕事です。
当時私は入社して五年目でしたが、色々あって半分ダメ社員の烙印を押されかけていたような状態でした。
しかし、この現場に来て吉川課長(当時)は大胆にほとんどの仕事を私に任せてくれました。 |
そうなればやる気が出るもので、一所懸命に取り組み、職人さんを始め元請の担当者も私の言うことに耳を傾けてくれるようになりました。(逆に言えばそれまでは誰も耳を傾けてくれなかった)
そして、そうなれば、段々と仕事が面白く思えてくるようになりました。
まさに全てが良い方向に循環し始めたのです。
今の若い社員の人達で、仕事が面白いと思えている人が何人居るでしょうか?
仕事は確かにつらいことが大半ですが、完成時の達成感やお客さんに喜んでもらえた時、そして工事中、自分の思い描いた通りに工事が進んで行く時など、本当に面白いと思える瞬間瞬間があるものです。地道に知識と経験を身に付けて行けば、必ずその瞬間はやってきます。逆に仕事をなめて掛かっていれば永遠にその瞬間はやってきません。
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影響を受けた上司、先輩、同僚はどんな方でしたか? |
役職は退職された当時のものです。
仲岡部長− |
入社して1,2件目の現場をご一緒させていただき、建築の仕事の基礎を叩き込んでいただいた方。多忙を極める現場の業務の中でも部下に何かを教えよう、何か身のある経験をさせようと意識しながら指示指導をされていたように、今だからこそ思い出されます。
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谷 部長− |
入社して15年ほど経ってから付いた上司です。仲岡部長が基礎を教えていただいた上司なら、谷部長は応用を教えていただいた上司です。細かいことは教えていただいていませんが、建築屋としての気構え心構えなどを学ぶことが出来ました。 |
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私の知っている当社の今昔物語をひとつ。 |
今は昔、入社して二年目の頃、仲岡さんと岡野さんとの三人で京橋の病院新築工事をしていた時のことでありました。
夕方で現場の職人さんはみんな帰り、三人とも残業の後”一寸一杯”やっていました。そこに突然会長(当時は社長)が事務所にやって来られたのです。
みんなあわてて”一寸一杯”を隠し、会長は仲岡さんと色々話をされて帰られました。
岡野さんと私は安心して再開しようとすると仲岡さんが「ちょっと待て!社長はもういっぺん戻って来はる。そのまま待っとけ」とおっしゃる。しばらくするとアイスクリームか何かを持ってニコニコと会長が戻って来られ、土産を我々に渡すとすぐに帰られました。
トントンとプレハブの鉄骨階段を昇る足音が聞こえて本当に会長の姿が現れた時、心底から上司を尊敬した瞬間でした。(仕事以外ですが・・・)
又、現場で仕事をしている私達を気づかってくださった会長の優しさにも感激いたしました。
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当社の魅力、長い歴史を築いてきたのは何だと思いますか? |
会社草創期に蓄えられた資産を基に、現在まで継続する「安定した経営」が全てのベースになっていると思います。
それを背景にした”良い仕事(利益のために手抜きなどをしない)”をしようとする姿勢、協力会社との協調関係(商道徳に反することをしない)を築いてこられたこと。そして、それらに基づき顧客からの信頼に応えてきたことです。
ちなみに当社の主要顧客とは主な発注者である元請会社を指すのでしょうが、私の思いは個々の現場所長や工事長の方々が真の主な顧客です。
企業は時代が変わればその度に方針を変え、発注者も同じで協力会社の事情など顧みませんし、またそれが企業として当然のことです。そんな状況のなかでも変わらずわが社を指名して下さる方が多いのは、先の信頼を築けてきたことであると自負しても良いと思います。
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これまでの当社、そしてこれから
どんな会社になっていく、していきたいと思いますか? |
永年、大手ゼネコンからの仕事を中心に今まで育ち継続してきた会社ですし、多くの事を学ばせて頂きました。今後も良好な関係を築き発展させていただきながら、当社独自の仕事も増やし、これまでの仕事で学ばせていただいたことを他でも活かせる会社にすること。
それが、知識と技術の社会貢献にもつながると思います。
また自社独自の仕事をすることで、自社の看板の下で仕事が出来る新たな喜びを皆で分かち合う機会を増やしていきたいと思います。
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当社で仕事を続けてきてよかったと思うことは何ですか? |
繰り返しになりますが、世間でよくあるような「利益のための法違反」や「社会道徳に反すること」を会社や上司から教えられ強要された事や、又はせざるを得ない立場に追い込まれることが当社では皆無であったことです。
そして建築の「技術屋としての矜持(きょうじ)」を保ち続けて現在に至っていることです。
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現在は、高麗橋工事事務所所長をつとめている柏原部長は、昭和52年入社。昨年、永年勤続32年の表彰を受けられたばかり。
「技術屋としての矜持」は長年の経験から培われたもの。
今後は、その「矜持」を若い力に引き継いでいただけることでしょう。
柏原部長、どうもありがとうございました。
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